ある市のある店舗での出来事。
その店舗周辺は市内でも有名な在所
(被差別部落:ここではよく使われる)
があり、いわゆる客筋が悪く、あまり環境の良い
ところではなかった。店内ではいつも揉め事が多く、
従業員が殴打されるなど乱暴な客も多く、
管理面では頭の痛い店舗だった。
そのため人事異動の際もこの店舗には
行きたくないなど敬遠されるので配置が偏ってしまう。
相手が暴力団関係者なら
こちらもいわゆる筋を通して話が出来るのだが、
ここの住民はそうではなく、
普段は個々人で問題を起こすが、いざ、
となると変な連帯感が生まれ、大事になることもあった。
新任の店長が通路を歩くだけで、足を引っかけたり、
後ろからパチンコ玉を投げつけてきたりする。
当然、注意をし、言い争いが始まり、もめる。
すぐ近所に交番所があるのだが、
電話をかけてもすぐに来ない。
それなりの応援の人数が集まるまで警察官も
単独では来ない。怖いのだ。
ここの店長になるというのは、
社内でも「島流し」のようなもので、
とことんやるか、問題のある不良客に迎合するか。
「こんなところに店をつくったほうが悪い」
と常連客。
ある時、夜空を見上げながら、
涙を浮かべていた店長の姿が忘れられない。
写真素材 cg.foto
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