土曜日

ゴト 1 (平成編)

 

射幸性の高い機種が多かった時代。

客数も伸びて売上も毎月のように上がっていった。

その当時は釘を曲げたりなどの単純なゴト

(不正犯罪)

行為よりも、遊技台の性能に直接変更をかける、

基盤の交換、ロムの交換、

中間のハーネストに細工するなど専門的な

(遊技機性能の仕組みがわからないとできない)

ゴトが頻発していた。

 

映画や漫画の世界のように夜間に侵入し、

こっそり交換する。

店舗関係者を引きずり込んで交換させる。

大胆な時は営業中に数人で遊技台を囲み、

強引に交換していく輩もいた。

 

気づいて押さえに行くと逆に刃物で

反撃され刺される事件もあった。

 

営業部のエリア長だった時、担当が8店舗あり、

夜間、明け方にひっきりなしに警備会社からの

侵入発報で駆けつけることが多かった。

店舗に駆けつけると、警備員が出入口で待機している。

店舗の責任者が来るまで単独では入らない。

彼らも返り討ちに遭うこともあった。

 

店内に入ると、誰もいない。

「熱探知センサーの誤作動かな?」

「遊技台を開けた被害はなさそうですね」

当時は、天井からの熱探知が多く、

確かに駆けつけると誰もいなくて、

遊技台が開けられたような痕跡もなく、

「また、誤作動か」

で済ませていた。

 

しかし、あまりにも発報が頻発するものだから、

念のため発報のない日の

夜間のビデオ録画を追っていくと、

確かにホール内を毛布のようなシートをかぶって

通路を這いずり回る滑稽な姿が写っている。

 



写真素材 pro.foto

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