金曜日

愛すべき人々3(昭和編)


今では住むところを失えば、

たちどころに仕事もなく、行政の援助も

受けられません。

ネットカフェ難民や路上生活者に転落。

棄民です。


自己責任や自由のもと、脱落者には逃げ場所も

救いの手もありません。


現在、我が業界も昔とは違い、採用時には身元の確認、

住民票の提出、保証人の確認、誓約書など・・・

簡単には採りません。


警察の指導もあり

(不定期に従業者名簿のチェックもあり、常備が義務付けられている)

一般の企業より厳しいかもしれません。

 

何事もおおらかな時代でした。

 新入社員の送迎、確保が私の仕事でもありました。

事務所にコレクトコール。

 「いま、○○県におるんやけど...」

OK、OK、とりあえずオッケー。

 

電話代も、電車賃もない。

最寄りの大きな駅で待ち、着いたら汽車賃を

代わりに払って車に乗せ速攻で店舗まで。

 

よほどのことがなければ、即決採用。


以前紹介した、もと十三ミュージックの

照明係の兄ちゃんも同様に働き始めました。

ほとんどの人が訳ありで、だらしなく、

弱くて、みな欠点だらけのしょうがない人々。

 

人手不足でもありましたが情けもありました。

初老の足が不自由な男性も

「かわいそうや」

掃除係で採用です。

「みんな、金ためて はよ 足洗いや」

店長の優しい訓示。


そうそう、面接時に

「よほどのこと」が1件ありました。


店長と私とで応対。応募にきたオッサンは、

はなから能書きが多く、ワシはもと○○○や、

給料はなんぼで、待遇は云々……


店長は朝から機嫌が悪かったこともあり、

切れました。

 

いきなりオッサンの髪をわしづかみ、

壁に数回打ちつけ、平手で往復ビンタ、

おなかを思い切り足蹴にし、

店から放り出したのです。


身内には温情を、輩には非情に。


この人、むちゃするわ。




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