今では住むところを失えば、
たちどころに仕事もなく、行政の援助も
受けられません。
ネットカフェ難民や路上生活者に転落。
棄民です。
自己責任や自由のもと、脱落者には逃げ場所も
救いの手もありません。
現在、我が業界も昔とは違い、採用時には身元の確認、
住民票の提出、保証人の確認、誓約書など・・・
簡単には採りません。
警察の指導もあり
(不定期に従業者名簿のチェックもあり、常備が義務付けられている)
一般の企業より厳しいかもしれません。
何事もおおらかな時代でした。
事務所にコレクトコール。
OK、OK、とりあえずオッケー。
電話代も、電車賃もない。
最寄りの大きな駅で待ち、着いたら汽車賃を
代わりに払って車に乗せ速攻で店舗まで。
よほどのことがなければ、即決採用。
以前紹介した、もと十三ミュージックの
照明係の兄ちゃんも同様に働き始めました。
ほとんどの人が訳ありで、だらしなく、
弱くて、みな欠点だらけのしょうがない人々。
人手不足でもありましたが情けもありました。
初老の足が不自由な男性も
「かわいそうや」
掃除係で採用です。
「みんな、金ためて はよ 足洗いや」
店長の優しい訓示。
そうそう、面接時に
「よほどのこと」が1件ありました。
店長と私とで応対。応募にきたオッサンは、
はなから能書きが多く、ワシはもと○○○や、
給料はなんぼで、待遇は云々……。
店長は朝から機嫌が悪かったこともあり、
切れました。
いきなりオッサンの髪をわしづかみ、
壁に数回打ちつけ、平手で往復ビンタ、
おなかを思い切り足蹴にし、
店から放り出したのです。
身内には温情を、輩には非情に。
この人、むちゃするわ。
写真素材 pro.foto
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