基盤を1台ずつ念入りにチェックしていくと、
同じ記号で番号も記載されているが、
文字が通常とはちょっと違う。
字体が少し違う。
色が若干薄い。
メーカーに確認すると、やはりすり替えられていた。
すり替えのあった遊技台を営業中に監視すると、
普段毎日来ている
常連の近所のお母さんが打っている。
「打ち子」だったのだ。
ある日ホール外で声を掛けられアルバイト感覚でやっていたのだ。
従業員間でも疑心暗鬼だ。
ホール主任が案内役に引き込まれている場合もあり、
店長自身が染まっていれば、
被害金額が大きくならなければ中々発覚しない。
その為経営者は、利益調整をする「釘師」「設定師」、
ホールを管理する「店長・MG」など役割を分業させ、
また、管理者として親族を配置し、
出来得る限り不正防止に神経を使った。
私がこの業界に入ったのもそういうきっかけだ。
叔父が経営する店舗に住込みで勤務し、
夜間は大型金庫が設置してある部屋のベッドで寝た。
最終の金銭チェックは私が担当し、
誤差が出れば合うまで何度も数え直した。

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