バキュームカー

 

高齢化が当たり前の世の中。

６０の齢では人生まだまだこれからだ。

３５年間ほぼ同一の仕事しかしていない男が、

次に何ができるだろうか？

 

前会社ではパチンコ以外では、

市指定の清掃会社も経営していたので

人手不足の折は手伝いにも行っていた。

市内のごみ回収、大型ごみの回収、

バキュームカーに乗ってし尿の収集など。

市内では下水道の普及が大半だが、

北部や一部の地域ではまだ汲み取り式のトイレも

残っており、他にイベント時の簡易トイレもあった。

また、ホテル内の浄化槽の汚泥の

汲み取り清掃なども行っていた。

 子供ころ、昭和４０年前半くらいまでは、

ぽっちゃん式の汲み取り便所だった。

２歳下の妹が何度か落ちた記憶がある。

セピア色の記憶が、バキュームカーで市内北部の

集落に行くと、現実の風景になる。

最初のころは、未だにこのような職種が残っている

ことに興味を持ったが、やりたがらない若い社員や、

駅近くの人出が多い現場は敬遠する社員もいて、

まだまだ偏見もあり、作業着に臭いが付くのを嫌がる

社員も多く、人員配置が偏ってしまう。

 

しかし、し尿汲み取りは一部の業者のみの

既得権のようなもの。

年々、下水道の普及が進み、

数は減っても細々と継続されている。

会社にとってはおいしい仕事だ。

 

人手不足の時は私も含めて、

応援でパチンコの社員をほぼ強制的に

連れて行った。

昼食はもちろん、

ＣｏＣｏ壱の「カレーライス」が定番。

色は似ているけど、

「カレーライス」はみな大好きで、

文句は一つもなかった・・・

我慢していたのかな？