水曜日

断絶


子供ころ、

盆正月になると一番上の叔母が嫁いだ先の

大きな邸宅に親族が集まっていた。

そこには離れもあり、叔父さん連中は

そこで宴会後、麻雀、花札に興じ、

最後はいつも兄弟で取っ組み合いの喧嘩になり

お開きとなる。

その邸宅には親戚一同が集まり、

かなりの人数になる。

所帯に余裕がないとできない。

叔母は長女でその下に弟が5

末っ子に妹の人きょうだいだ。

私の父は男兄弟の番目だ。


彼女は嫁いだ時から豪傑で、自身も息子人、

人を産みながら弟たちの面倒も見、

一家は彼女を中心に、嫁ぎ先の商売を

弟たちにも指南し、一族の繁栄に大きく寄与した。

 

しかし、その家の叔父が亡くなり、

彼女も高齢者となり、

その後は商売で成功した私の父の兄である

大叔父の家に集まるようになる。


その後はまた、その叔父が亡くなると、

誰も声をかけて集合することもなく、

いつの間にか親族が集う時は、順番に

亡くなっていく叔父、叔母の葬儀の時だけになった。

要は甥っ子の世代で(私の世代)で

一族が集合することもなくなったわけだ。

 

年に度くらいは一番上の余裕のある

従弟のお兄さんの所に集まって、とならなかったのは、

私たちの上の世代の兄弟で経済的な格差が大きく、

一番上の大叔父が生存中は、

世話のかかる弟たちの面倒を見ていたのが、

その下の世代になるとそんな義理もなく、

「金の切れ目が縁の切れ目」と、なったわけだ。

私の世代は仕方がないが、私の子どもや孫の世代は全く

親戚付き合いがなくなったのが申し訳なく、

寂しいことになってしまったのは残念だ。




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