土曜日

カブトムシ

  

50年前、私の母の弟が療養先から

たくさんのカブトムシの成虫と幼虫をクヌギの木が混ざった

豊饒な沢山の土と一緒に送ってくれた。

 

結核のため、兵庫県の田舎に療養中の近くの山から

夏の間に甥っ子のために取りためていたようです。

 

土の中には卵が混じっていて年をまたいで私には

「たからもの」があふれ、近所の子からは垂涎の的でした。

 

クヌギの木の香りと土のにおい。

夏の日の夕方、

夕立が始まる前に風に混ざって飛んでくる埃のにおい。

ゴマダラカミキリムシのエサのキュウリやスイカのにおい。

幼少のころの記憶はどうも「におい」と結びついているようです。







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