土曜日

女釘師 (平成編)

 

ある時、社長が、

どこかで影響を受けたのか、

「新卒の新入社員の中から女性の釘師を

育成しよう」。


当時、系列店が20店舗以上あり、

店舗の役職者候補を目指す新入社員を毎年、

20人前後採用していた。

その年は珍しく、営業部員を目指す新卒の

女性社員も名おり、本社で社長の目に

触れたようだ。


しかし、候補がいるからと言って

簡単なことではない。

一般のホール社員で入社した場合通常は

班長、会計係、副主任、主任と段階を踏んで

昇格していく中で、パチンコのノウハウを

学んでいきながら、釘の調整を学んでいく。


させてもらえるか否かの問題も大きいが

未経験者が簡単にできるものではない。

業界では常識だ。


要はトレンド、流行りで決められたら、

候補になった社員も不幸だし、

教えるほうもたまらない。

 

候補になった彼女は新卒なので当然だが、

若くてかわいらしい女性だった。

当時の統括部長の好みだったようだ。

制服にはミニスカートをはかせ、

店舗廻りの名目であちらこちら連れまわし、

彼女の関心をかおうとブランド品を与え、

本来なら仕事を覚えるために一般職と同じ

スタートが必要だったのに、

自由に行動させ甘やかしていた。

 

そのことを良かれと思わないのが

次の部長を目指すO課長だった。

が、彼も彼女の魅力にひかれ、

同じような行動をとった。

 

周りがすべて男性でそれなりの収入があり、

ちやほやされる環境では、彼女も年ほどで

すっかり変貌し、拘束時間の長いブラック企業から

とっととそっぽを向き、あっさり辞めていったが、

一番したたかだったのは、彼女だったのだね。


男はいくつになっても「バカ」だね。





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