金曜日

シャッターチャンス

 

14才の冬。大阪の箕面に友人数名と遊びに行った。

「猿」と「滝」で有名なところだ。

ここの猿は一時期、悪名高く、ガラが悪かった。

観光客の荷物を手から無理やり強奪し、山へ逃げ帰る。

車のボンネットにも平気でのっかってくる。

人間に慣れすぎて、舐めていたのかもしれない。

今は、保護の観点から観光地に出てこないように

餌場を山の中へ誘導し、姿を見せないようだ。

 

そんな山へ友人たちと分け入り、

ちょっとした山登りを楽しんでいた。

私は草地が生い茂った急峻な坂を先に登り、

フィルム式の簡易カメラで

友人たちを撮ろうと構えていた。

 

下から叫び声が。

思わずその方向へカメラを向け、シャッターを押した。

 

友人の一人が手を放し、崖地から転落してしまった。

草地が生い茂っていても20メートルほどの高さだ。

 

「大変だ」「119番だ」

 

生まれて初めて「救急車」に同乗し、病院へ。

大きな外傷はなかったが、保護者も駆けつけ、

レントゲンも撮り、大事になってしまった。

 

後日、彼はいつものように

「ひょうきん」のままで、無事、登校してきた。

 

あの時撮ったフィルムを現像すると、彼が

両手を広げ、目を見開き、空中に浮いて、

落ちて行く瞬間を捉えていた。

 

まさに「息をのむ瞬間」だった。




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自省


田舎のパチンコ店をやめ、

一時、ホールから離れたことがあった。

パチンコ備品の販売、営業なので、

ほぼ同業種の仕事だ。昼は防犯器具の営業、

夜間は注文のあった器具の取り付けをする。

 

大阪府下の店舗を地図に落とし、

飛び込みで営業をかけていく。

営業で回るとその会社、店舗の方針や体質が

良くわかる。初めから全く相手にされないのは

仕方のないことだが、名刺、パンフを手渡すと、

目の前でゴミ箱に投げ込む店長や、

忙しいと逆ギレしてくる役職者もあり、

けんもほろろ、取り付く島もない。


第三者の目でホールを巡回していると、

遊技ガラスの閉め忘れや、

清掃面、管理面での粗が結構見えてくる。

 

 

中には応対が丁寧で、愛想よく本社へ

取り次いでくれるホールは、やはり店の

雰囲気も良く、きれいに清掃されている。

後年、このホールは業績を伸ばし、

店舗数も増えていった。

 

 

ホールでの業者に対する姿勢を

自省し、振り返ってみる。

やはり、わが業界は総じて

「ガラが悪かった」ね。


名刺をゴミ箱に投げられた店は、

当時は20数軒あったが、

令和の今は、ほぼ廃業し、数軒しか残っていない。




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親睦旅行

 

景気が良かったころは、業界内では、

いろいろな形で親睦旅行があった。

 

あるドリンクメーカーは毎年、九州へ

ゴルフコンペと観光旅行を開催し、

Aタイプで人気のスロットメーカーのゴルフ

コンペは商品も豪華で、優勝は外国車だった。

設備業者も個々でゴルコンペに豪華賞品もあり、

各遊技組合からも毎年のように観光旅行に行っていた。

 

私も出不精ながら、何度かご招待をいただいた。

ある年の組合の韓国釜山の2泊3日旅行には、

家族もOKだったので、1家4名で参加もさせて頂いた。


系列店で5店舗あれば、5名参加できるので、

事務員や、班長などの中間職もみな楽しく参加

していた。


もちろん費用は全額、組合、業者持ちだ。

「こづかい」を渡す気前の良いオーナーもいた。

 

みんな儲かって、世の中の景気も良かったのだね。

 

平成以降に生まれた子供たちや、若い世代にも

経験させてあげたいね。


生まれてからずっと景気が悪いのだから。




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木曜日

コンクリート

 

昭和の時代は、景品交換所もパチンコ店が経営していて、

景品を直接、ホールへ運搬していた店舗もあった。

人手不足の折には、ホール社員が代わりに小屋に入り、

景品交換もしていたのだから、まさに「自家買い」だ。

 

風適法では、現金又は有価証券を賞品として

提供することは禁止だ。

それなのに、大阪から派生した「三店方式」を

原則として、いまだにグレイゾーンの位置づけで

景品の現金化を容認している。

 

「ホール」は景品(特殊景品)を客に払い出す。

客は特殊景品を「古物商(景品買取業者)」で現金に交換。

特殊景品は「賞品流通業者」を通じてホールに卸される。

 

どんな形であれ「換金」が禁止になれば、

パチンコ店は全滅だ。

グレイな法基準の上で何十兆円規模の産業が

成り立っているのだから、不思議な国だ。


「砂上の楼閣」ともいえるが、砂にセメントを

混じれば、コンクリートになって固くなる。


業界のいままでの努力や実績が混ざって、

未来には、どのように固まってくるのだろうか。




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釘折れ

 

稼働の良い店は、釘も遊技玉が多くぶつかるので

劣化し、折れてしまう。風車も変形し、いびつになる。

高稼働、人気台の証だ。

 

現在は、法律順守で、釘が折れた遊技台は止める。

釘を打ち替えるため、メーカーから変更後の新しい釘と

変更承認書が送られて、所轄の検査を受け、承認を

もらえるまでは動かせない。

 

「遊技機の性能」に影響を及ばさないような

軽微な変更は、届け出だけで承認のいらない

「変更届」で済む。

ランプ交換や上皿下皿、ハンドルが壊れた場合など。

変更しましたよ、だけだ。

 

だが、「釘」「風車」「役物」などは

「変更承認」が要る。検査が要る。


2000年くらいまでは、警察も目が届かない

ところも多く、結構、未届けで勝手に交換していた。

交換用の新しい真鍮釘はピカピカなので、普段から

手垢をつけ、水につけて錆をつけ、装った。

 

釘折れは、前面から、くぎ抜きポンチで後ろへ

たたき出し、遊技盤の裏から折れた釘を引き抜き、

穴埋めに、マッチの軸やハンダ、輪ゴムなどを詰め、

新しい釘を打ち直す。

器用不器用で仕上がり具合が違い、

下手なものは、「ヘソ」の左右の釘の長さが

違ったりして、恥ずかしい。

 

遊技盤の裏を見れば、釘を交換したことは、一目瞭然だ。

警察がその気になれば、未届けの釘修復は、すぐ判明する。

 

まあ、普段の釘調整も、厳密には勝手に変更しているので

法律違反だが、突き詰めれば、

パチンコ店は営業できなくなってしまう。

「グレイゾーン」ってことだね。




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アレジン

 

私が大阪のパチンコ店へ1年ぶりに業界復帰したとき、

主力機だったのが、藤商事の「アレジン」だ。

日本全国、どこに行っても設置されていた。

朝一番から並び客が、開店と同時に取り合いになる。

まさに「鉄火場」だ。

 

電源を立ち上げ、8台に1台が天国モードの確率が高く、

朝から一気に連チャンに入ることもある。

 

打ち出した玉が、左肩の始動チェッカーを通過する。

「ピュウイッ」、「ピュウイッ」と

連呼していけば、期待が高まる。

 

始動チェッカーは通過するだけで、賞球(玉の戻り)がない。

ベースが低いので千円札がどんどん入っていくが、

デジタルはどんどん回っていくので、離れられない。

 

常連のおかあさんの話では、

「ピュウイッ」と「ピュウイッ」と鳴く音が、

頭から離れず、朝から居ても立っても居られない。

 

オール16で1回の出玉は2000個。

奇数目が揃えば、すぐ右打ちで、V入賞で

大当たりだが、Vに入らずパンクも多かった。

だが天国モードが続けば10連、20連と続く。

 

当時は、フィーバー機は、ラッキーナンバー制へ

移行していたが、それでも玉の交換は早く、

完全無定量の機種は「アレジン」だけだった。

 

私の担当店舗では、釘調整の割数配分は、

売上の上がるフィーバー機や権利物、一発機に

割数を乗せ(出玉を多くし)、アレジンで絞って、

全体の出玉率を合わせていた。

 

アレジン以外の機種は、回収率10%~15%だが、

アレジンは40%前後の抜き(回収)率だった。

 

遊技客が、それでも追いかけてくる名機だった。

 

「ピュウイッ」、「ピュウイッ」、「ピュウイッ」と。

ああ、そろそろ、かかりそうだ。

「やめられない」。




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火曜日

心肺

 

心臓の手術以降、出社前に毎朝、近所の公園を

Km歩いた。雨の日も、風の日も。2年間、毎日だ。

(雷の時は2度休んだ)

退院時74キロあった体重が64キロになった。

そのうちウオーキングだけでは、物足りなくなり、

ジョギングに切り替えていった。

数か月後には、マラソン10キロコースにも参加し、

60分で走れるようになった。

 

並行して、ネットで検索した地元でランニングの

コーチをされている方に不定期になるが、指導と

グループでの集まりに参加させてもらい、

山道のトレイルにも参加させてもらった。

フルマラソンにも参加を目指そうと、

その時はちょっとだけ思った。

 

しかし、「心肺」の「心」臓は手術と

リハビリで改善しつつあったが、

「肺」の機能は、良くなることないと

言われた。現状の維持が一杯だ。

 30年間の喫煙生活がうらめしい。


走っていると、呼吸が苦しい。

病院に行くと、「喘息」の診断。

それから、

ジョギングは出来なくなってしまった。

1年後、体重がまた戻ってしまった。

身体は正直だ。










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嘘 (昭和)


飛び込みで入社した夫婦社員でいい人材が

いた。業界歴も10年ほどあり、他社でも

役職者(ホール主任)の経歴で、体躯は小さいが、

物言いは達者で、押しが効いた。


1年後、マネージャー昇格となり、釘調整も

担当するようになった。

私も、彼とは毎日のように接し、信頼していた。

田舎のホールでは、職住一緒なので、

そりが合わないと仕事ができない。


3年ほど経過して、オーナーの信頼も厚くなり、

社内の信望もでき、グループ全体の金銭管理や、

機械購入の選定も任せられるようになった。

 

私はその時分より、訳あって会社を

退職することになった。

 

その後数年たって、彼らの話を聞くと、

突然、トンコ(逃走)したと。

警察から指名手配が、かかっていたらしい。

近所の銀行に、

彼名義で3000万円の預貯金が。

しかし、その名義は本名ではなかった。

偽名で口座を作っていたようだ。

逃走発覚後、身元確認が出来ないので、

口座は手つかずになっている。

 

毎日、社用車を運転し、他店統計や

買い物にも行っていたが、免許を所持して

いなかった。

会社の被害は表では明らかにしていないが、

おそらく、裏金を作っていたのだろう。

 

人間というのはわからないものだ。

彼らの情報がすべて嘘で塗り固められて

いたとは。

一緒に飯を食い、酒も飲んだ。

朝まで話をしたこともあった。


優れた俳優だったということか。




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タイムマシン

 

45年以上前に住んでいた町へ45年ぶりに行ってみた。


当時、借家に住んでいた場所は、3階建ての小さな

マンションになっていた。

 

同じ年の子がいたので、よく遊びに行った近所の「焼き肉屋」は

場所も、屋号も、そのままだった。部屋には金日成の肖像画が

飾られていた。まだ、あのアジュマはご健在だろうか。

 

子どもの頃の記憶は大きな町だったが、今は小一時間もあれば

一回りできる小さな町だ。毎日通った小中学校もある。

そこも、小さな校庭だった。

毎日、練習した野球部のグランドも小さかった。

 

当時、出来たばかりの憧れの「団地」は、大半が

URとして改築され、かなり印象が違う。

 

蝉取りに行った近所の大木のある神社も、

木はそれほど大きくなく、境内も狭かった。

 

商店街はシャッター通りになっていた。

まで女湯に入っていた銭湯もあり、懐かしい。

野球部に入って一人で丸刈りに行った散髪屋もあった。

 

町はそれほど大きな変化はなかった。

でも、歩けども人がすくない。子供のころは町には

どの時間でも人の通りは多かった。

 

45年で昭和、平成、令和と変わった。

新しい未知の土地へ行くのも良いものだが、

過去の土地へ戻るのも、未来からタイムマシーンに

乗って来るようなものだ。




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3種権利物

 

2004年の規則改定により、パチンコの

区分わけがなくなった。

それまでは、第1種から第4種まであり、


1種はデジパチフィーバー機。

アタッカー内のVゾーンに入らなければパンク。


2種は羽根物。

こちらもVゾーン通過で継続し、


3種は権利物。

2回権利、3回権利と出玉の多さが魅力だった。


4種は一般電役。

複数の役物や電チューアタッカーがあり、

スピード感があった。

 

3種権利物タイプなどは、釘の調整もまだ

行政からの監視の目もゆるく、ヘソ下の賞球口の

2本並行釘を斜めに下げて、入らないように誘導し、

ベースを極端に下げていた。

 

3回権利物ではニューギンが強く、ミルキーバーや

カーニバル、キューティーバニーなどが人気で、

売り上げも群を抜いていた。

 

玉箱も大量出玉に合わせて、フィーバー機の

.000個箱では間に合わず、4.000個箱が

主流になり、ホール係を泣かせた。

.000個箱に出玉をいっぱい積め、

3~4個抱えて走り回ったものだ。

腰の負担を訴える係員も多く、小型の台車が

使われ出した。

 

ホールの通路は出玉で大量に箱積みされ、

勝ち客の優越感を満たした。

シマの中を歩くのも大変だった。

パチンコ店は客であふれていた。

 

1990年代はバブル崩壊、95年は阪神淡路大震災、

オウム真理教のサリン事件、世の中は混沌とし、

この世代は「就職氷河期」といわれ、「失われた10年」が、

今や「失われた30年」に。


それでも、パチンコ業界は、したたかに業績を上げていた。

それだけ人心が痛み、苦しんだ、多くの人たちの逃げ場所

だったかもしれない。




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月曜日

スマパチ・スマスロ

 

以前から開発、期待されていた「封入式パチンコ」が

いよいよホールへの導入となりそうだ。

スマートパチンコ(スマパチ)、スマートスロット(スマスロ)と

命名され、保通協への持込も始まったようだ。

 

今のCRユニットがHCユニットに変わり、客は直接、

遊技玉や、コインに触ることなく電子情報により遊技する。

 

現状のCR機でも、各台計数機設置の店舗と

イメージは近いのだろう。

 

玉やコインがあふれ出てくる受け皿がなくなり、台内部で

パチンコ玉が循環し、スマスロは現状のBETボタンと同様、

コインを投入口に入れる必要もなく、電子情報内のコイン数で

遊ぶのだろう。

 

感染防止、不正防止、依存症防止などと、お題目が並ぶが、

30年前にCR化が始まったときと同じような構造で、また、

ユニット交換や島の改造費用などはホールが負担し、

それはそのまま遊技客への負担に回ってくる。

 

遊技台設置のレイアウトも自由になるだろう。

(紙幣回収が個別の金庫式の場合)

多くの玉、コインがなくなり、電子化され、

ホール係も必要なくなるだろう。

 

肝心の遊技台の性能や、噂されていた完全封入で、

釘の調整も不可になるのか?

ホールでの実務経験のある者ならわかるだろうが、

過去の3段階や6段階の設定変更だけで営業は出来ない。

逆に設定だけで確率が日毎に収束するような内容なら、

なおさら面白くない。

 

今後の遊技機の性能次第だ。適度な射幸性があるかどうか。

パチンコ・スロットのファンに受け入れられるかどうか。

だめなら、また、遊技機の許認可を甘くしていくのだろうね。





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日曜日

カリスマ○○

 昔は、店舗付きの釘師とフリーの釘師がいた。

店長、マネージャーとして勤務し、調整業務も兼任する。

現在の正社員としての雇用形式と一緒だ。


フリーは、有期の契約方式で、1店舗から複数店舗まで

オーナーから直接依頼で受け持つことが多かった。

アルバイト的な感覚で、報酬も裏金(こづかい)として

要求する形もあった。


大阪、名古屋など大都市圏のパチンコ店に、

「釘師」「設定師」を使う比率が多かった。

不正防止のため、店舗営業の管理、金銭の管理、釘の管理を

わけていたからだ。(関東圏はよくわからない)


人気の釘師になると、担当店舗が5~6店舗以上に

なることも。一晩に弟子を連れて朝まで周回する。

といっても普段の調整は叩く数も少なく、釘帳をチェックして、

叩かない日もあり、平常営業では、数台から10台前後だ。

現在のような列設置で、一律にゲージ幅を合わさず、

個別の差し替えで終わらすことが多い。


報酬は、聞いた平均では、1台、千円。

250台あれば、25万円。

5店持てば、125万円。

弟子を連れて高級車で巡回する釘師もいた。

パチンコメーカーの社員が、バイトで調整する形もあった。

私もメーカー担当者からお誘いが、あったこともある。


思わぬ割数の変動で、初日から赤字が出て、

1日でお払い箱になった釘師もいたようだ。


しかし、そんな時代も昭和と平成の初めくらいで、

パチンコ台の計数がデータ化され、

職人的な感覚で釘をたたく必要もないことが、

経営者にだんだん周知され、「釘調整」は

そんな大仰な(大層な)ことでもなく、

「理論さえ解れば誰でもできる」ことが経営者側でも

認識されるに至り、フリーの「釘調整師」は

存在価値がなくなった。


今の世の中、

なんでも「カリスマ○○」って付けるけど、大半は

「はりぼて」だね。

まあ、なんでもそうだが、「本物」か「偽物」か、だ。





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土曜日

計数(6)

 

大切なのは、機械上設定値は同じ状況で、

この客滞率の変動により、割数が変化していくことを前提に、

予測していくことが重要になってくる。

 

回交換営業

分間のスタート    回、

ベース        22

特賞出玉       4.800

大当り確率       1/315

日の特賞回数     10

 

大当たりをひくまで、315÷52.5(分)

顧客が打ち込んだ玉 52.5×(10022)=4.095(個)

回交換ではこれが、そのまま売上玉になる。

 

日で10回特賞  4.095×1040.950(個) 

これが日の売上玉

 

顧客が得る玉は  4.800×1048.000(個)

割数は      48.000÷40.9501.172(約117%)

粗利は      40.950×163.800(円)、

交換時      48.000×2.86137.280

163.800137.28026.520(円)

これが回交換時での割数と粗利。

 

この数値をもとに無定量営業、客滞率200%とすれば

顧客が打ち込んだ玉数 40.950(個)だから、

 

40.950÷2.020.475(個)が売上玉

 

回の特賞で得るため、4.095(個)打ち込み、

4.800(個)獲得する計算で

4.8004.095705(個) 

これを差玉と呼び、顧客が獲得しているため、

店側からはマイナス705(-705)と表現され、

10回の特賞があったので、705×107.050(個)

 

7.050(個)は、店側が代金をとらずに提供したものとし、

売上玉、20.475にプラスすれば、顧客に提供した総玉数が

計算できる。

20.4757.05027.525(個)

これを売上玉で

割って、27.525÷20.4751.344134%)

 

粗利は、顧客が 20.475の玉を円で消費しているので

20.475×81.900(円)

 

そして、2.86円で27.525(玉)を換金すると

2.86×27.52578.721(円)

 

よって粗利は81.90078.7213.179(円)となり、

回交換時の26.520円から比較すると大きくダウンしている。

いかに客滞率の上昇が割数、利益に影響を

与えているか理解できよう。





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計数(5)

 

客滞率(継続率)の捉え方


ここまで営業成績を把握するための、つのデータとして

分間のスタート回数、ベース、特賞出玉、確率を説明して

きたが、もうひとつ、シュミレーションを組む上で

重要なファクターがある。

 

一般に客滞率(継続率)といわれる数値である。

昔から釘調整を担当する者から、疑念に思われていた部分で

平日と週末との割数の幅が、なぜ大きいのか。

 

週間を同じ釘幅で調整しているのに、週末になると割数が

上がってしまう。週末は稼動が上がり、集客数が増える。

当然、売上も増大する中で、割数が上昇してしまう原因は

なんなのか。

 

ここで割数計算をするうえで、

客滞率という係数が登場してきた。

 

客滞率とは遊技客がどれだけ長い時間

粘っているかを数値化したもので、昔、回づつ

交換していた時代は当然、顧客が粘ることもなく客滞率は

100%)として捉え、

ラッキーナンバー制の時代は、個のラッキーナンバーで

客滞率は10%ほど上がり、ラッキーナンバーが

多くなればなるほど、客滞率が上がり、遊技客のもち玉率も

継続していく。これら数値は売上の減少につながり、

割数の上昇へとつながっていく。

 

現在でのノーパンク(無定量営業)主流のなか、回交換、

ラッキーナンバーの時代とは、あきらかに客滞率は大きく

変化しているが、一概にすべての機種が客滞が高いとは

限らない。店舗の立地や顧客の層、特性、店の信用、

遊技機械の人気度によって変化はしていく。




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計数(4)

 

分間のS回数   

ベース(賞球外個) 22

TY  4.800

TS    1/315   315÷52.5(分)

 

52.5×(10022)=4.095

4.800÷4.095117.2%の割数となり、

粗利は円で、

4.095個消費するので×4.09516.380

 

交換する際は、2.86円で、2.86×4.80013.728円、

粗利は16.38013.7282.652円。

 

賞球外ベース(フロック)が個、甘いだけで利益が

3.0722.652420円も変わってくる。

回交換換算として)

 

このことから、釘調整をする際には、上記のスタート、ベース、

特賞出玉の設定次第で、その機種の調整ポイントが大きく変化

していくのだ。

上の計算では、賞球外ベースでの差し替えで模擬

してみたが、特賞出玉を変更するため、F機回の出玉(実特)を

意図的に減少させる(TYの減少)ことにより、分間のS回数を

変動させ、より良く回るような調整方法に変えたり、

粗利益を増やすこともできる。


現状の無定量営業全盛の時代は、機種の各スペックが

どのホールも同じ条件の中、回の出玉を減少させ、

特賞出玉を変化させて、また確率変動中の変中ベースを

減少させ、その分スタート回数を多めに回すよう

反映させていく調整が主流となっており、また換金率も

多様化している時代の中、ますます特賞出玉の増減、

賞球外ベースのカット等、データ分析を中心に機種単位により、

その機種の特性を生かした釘調整が重要になってきている。




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計数(3)

 

それでは実際に、このF機の台の粗利を出してみる。

当社においては円で貸玉し、交換率は35個のため

2.86円で特殊景品に交換される。

顧客は円で4.148個の玉を消費するので

 

(円)×4.148(個)=16.592(円)

 

得た出玉4.800個を交換する。

 

2.86(円)×4.800(個)=13.728(円)

 

よってこの台の粗利益は 

16.59213.7282.864(円)

 

このようにF機台、回の粗利は計算されるが、

現実には大半のホールで、現状回交換で営業している

状況にはなく、実際のシュミレーションを組むときは、

その他の様々なデータ(今後述べる)を加味し、

予測をたてていく。 

  

ベースひとつの差が業績を大きく左右する

先にベース値のなかで賞球以外のベースを単純に

個から個としたが、この賞球外ベースの個の差は

調整する際にスタート回転や利益に影響してくる。

 

分間のS回数   

ベース(賞球外個) 20

TY        4.800

TS  1/315  315÷52.5(分)

 

52.5×(10020)=4.200(個)

 

4.800÷4.200114.3%の割数となり、粗利は円で

4.200個消費するので、×4.20016.800円。

 

交換する際は、2.86円で、2.86×4.80013.728円。

粗利は16.80013.7283.072円。




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計数(2)


営業成績を把握するためのつのデータ


F機を調整するためには、このスタートとベースが

問題になってくる。このつ以外に必要となるデータは、

大当たりがかかったときの出玉数(特賞出玉)と

そのF機の大当たり確率(特率)のつで、これらは

基板により確定され、人的には操作できない。


巷にいわれる不正、遠隔操作といわれるのは、

この確率や出玉を操作することで当然、犯罪行為であり、

遊技客にとっても疑念を抱く状況が業界の中で

蔓延していけば、P業界の今後の存亡にもかかわる

問題でもあり、ホール側の姿勢として常に公平、

公正を明確にし、顧客の信用、信頼を得なければならない。

 

それではここに挙げたスタート(S)、ベース(B)、

特賞出玉(TY)、確率(TS)のつの数字を使って

割数、粗利を算出してみよう。

 

分間のS回数        

ベース(賞球外含む)     21

TY            4.800

TS             1/315

 

確率が1/315ということは、見方を変えて315回の

スタートで回の大当たりが掛る、と言う事で考えてみる。

分間に回スタートさせるわけだから、

315回目に大当たりがかかるとしたら、

315回目は何分後になるか。

 

315(回)÷ 6(回)=52.5(分)

 

52.5分で大当たりを引く。

 

それではこの52.5分の間に顧客は、実際に何個の玉を

打ち込んでいるか。顧客が大当たりになるまでの時間と

吸い込まれた玉の数分間(100-21)をかけると

  

52.5(分)× 79(個)≒4.148(個)

 

大当たりになるまで顧客が打ち込む玉数は4.148個となり、

この大当たりによって、顧客が得られる平均出玉(TY)は

4.800個。このTYを打ち込み玉数で割れば、そのF機の

大当たり回の割数が出る。

 

4.800(個)÷4.148(個)≒116(%) 




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計数(1)

 

スタート、ベース値の捉え方


デジタル数字の回転がスタートからストップまで、

フィーバー機の平均が8.2秒ということで考えてみると

スタートからストップまで分間で何回まわるか。

 

60(秒)÷8.2(秒)=7.3(回)

 

最近のF機は、貯留玉の個数で停止秒数が変化し複雑だが、

上記の数値のように7.3回も回れば、常に回りっぱなしの

状態になってしまう。通常の営業では新装開店時の状況以外

まず考えられないので、

とりあえず分間に回まわすことで考えてみる。

 

(回)×(個)=18(個)

 

この場合分間に入賞が、ヘソ(スタート)だけだと顧客は

分間にほぼ100個の玉を打って18個の戻りとなり、

これがベース(遊び率)になる。

しかし、実際にはスタート入賞以外にもサイドや

天のフロックの入賞口にも入ることがあり、

閉め方にもよるがF機の場合、これが個から

個くらいの幅になる。これを賞球外ベースという。

 

賞球外ベースを個と仮定 

18(個)+(個)=21(個)がベースとし、

1002179  

これがホール側からみた吸い込み率になる。

 

また賞球外ベースが安定していれば、

S回数を上げればベース値も上がる。




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