金曜日

風体

 


スーパービンゴという機種で換金すると38万円勝った。

当時二つ折りの財布だったので札が入りきれない。

担当する近くの競合店だ。店長は苦い顔をしていた。

「仕方ないじゃないか、出るものは止められない」

 

統計も含めて毎日のようにパチンコ店に出入りしていると

業界人であることがばれてしまう。

 

雰囲気、風体がそれらしいのか、初めての店でも

「あんた、どこのホールや?」

いかつい店長クラスのおっさんに声を掛けられる。

 

知らない会社の店舗へ行っても、そこの警備員が

「お疲れ様です!」と

本社の人間と勘違いしてくる。

 

競合店が経営しているスーパー銭湯でも、マッサージの

女の子がいつも緊張しているので、聞くと、

本社の役員さんだとずっと勘違いしていたようだ。

 

「自分の会社でサボって風呂には入りにこないだろう」

それから行きづらくなってしまった。





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