金曜日

名ばかり専務


業界の準大手で仕事していた30代での

ランキング(肩書)は実力、実績がはっきりしていた。

店の成績が給料、肩書に反映していく。

担当する店舗の運廻りもあるし、その時々の

収益力のある機種の有無も大きい。

昨年までの一番店が近くに競合店ができて

急落することもある。

長らくの不振店がある機種の設置がきっかけで

急成長することもある。

 

「運も実力のうち」とはいうが、

たしかに巡り合わせの良し悪しはある。

 

そういう面では、私の30年以上の業界の実績は

順調だった。「運」がよかったのだと思う。

 

40才で入社した会社は創業者の父と息子2人で、

「社長」、「専務」、「常務」のところに

私が新任の「部長」として入った。

 

その後、「専務」「常務」の子息がそれぞれ入社し、

経営陣は「会長」「社長」「副社長」と肩書は変化し、

私はそのままだったが、それは順当だし仕事がしやすかった。

 

それから、ご子息二人はそれぞれ

 「係長」「課長」と順調に昇格し、

 以降は彼らが昇格するたびに

 私も一段階ずつ肩書が変わった。

 社内のヒエラルキーを気にしていたのだろう。


 彼らが「部長」になれば、私は「常務」

 彼らが「常務」になれば、私は「専務」

 しかし次はさすがになく、自ら閉幕した。


 子息が入社時点でこうなるのは分かっていた

ことだが、業界もコロナの影響で衰退時期にあり、

ちょうど良いタイミングだったと思う。


 「名ばかり店長」は社会問題になったが、

私は「名ばかり専務」として

 60歳近くまで仕事をさせて頂いたのだから感謝だ。





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