木曜日

アレジン

 

私が大阪のパチンコ店へ1年ぶりに業界復帰したとき、

主力機だったのが、藤商事の「アレジン」だ。

日本全国、どこに行っても設置されていた。

朝一番から並び客が、開店と同時に取り合いになる。

まさに「鉄火場」だ。

 

電源を立ち上げ、8台に1台が天国モードの確率が高く、

朝から一気に連チャンに入ることもある。

 

打ち出した玉が、左肩の始動チェッカーを通過する。

「ピュウイッ」、「ピュウイッ」と

連呼していけば、期待が高まる。

 

始動チェッカーは通過するだけで、賞球(玉の戻り)がない。

ベースが低いので千円札がどんどん入っていくが、

デジタルはどんどん回っていくので、離れられない。

 

常連のおかあさんの話では、

「ピュウイッ」と「ピュウイッ」と鳴く音が、

頭から離れず、朝から居ても立っても居られない。

 

オール16で1回の出玉は2000個。

奇数目が揃えば、すぐ右打ちで、V入賞で

大当たりだが、Vに入らずパンクも多かった。

だが天国モードが続けば10連、20連と続く。

 

当時は、フィーバー機は、ラッキーナンバー制へ

移行していたが、それでも玉の交換は早く、

完全無定量の機種は「アレジン」だけだった。

 

私の担当店舗では、釘調整の割数配分は、

売上の上がるフィーバー機や権利物、一発機に

割数を乗せ(出玉を多くし)、アレジンで絞って、

全体の出玉率を合わせていた。

 

アレジン以外の機種は、回収率10%~15%だが、

アレジンは40%前後の抜き(回収)率だった。

 

遊技客が、それでも追いかけてくる名機だった。

 

「ピュウイッ」、「ピュウイッ」、「ピュウイッ」と。

ああ、そろそろ、かかりそうだ。

「やめられない」。




写真素材 food.foto

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