ドカチン焼け

 

ある時期、大阪で日雇い労務を半年間経験した。

春先から夏場もまたいだので、日焼けして、

いわゆる「ドカチン焼け」で

ヘルメットの紐のところが日焼けせずに

残るような状態で、首周りは褐色になり、

体重も数キロやせたが、朝早く起き、

よく動くので、それまで下痢気味だった

便通が自然と良くなった。

                                        

朝6時に事務所前に集合し、

その場で当日の仕事が割り振りされる。

当時はまだ若く、動きも良かったので

私は優先的に日当の良い仕事を振ってもらい、

車の運転も厭わなかったので、現場では

重宝されていたと思う。

 

まだ車にナビがない時代で、

当日の朝に周辺の地図だけもらい、

その日の人夫を乗せ、現場に直行する。

生来の方向音痴だと思っていたが、

この時は必死だったこともあり、

また前日までに同じ現場に行った人夫も

同行するので、案内してもらいながら行っていた。

日当は、１２０００円。運転手当、２０００円が付き、

日払いで、１４０００円はありがたく、

月２０日ほど昼の仕事をし、夜間は近所のホテルで

ウエイターのバイトもした。

ほぼ一日中立ちっぱなしなもので、

夜は足がむくんで眠れない。

 

長女が生まれたばかりで、

このままの長時間労働では、身体がもたないなと、

パチンコ業界に戻ってしまったのだけど、

しばらくは朝６時になると、日雇い先の会社から

「また来ないか」

とお誘いの電話が何度も。

人手不足だとわかってはいるが、乞われるというのは、

うれしいものです。