金曜日

愛すべき人々2(昭和編)

 

O氏(店長)のこと。


車が好きで 毎朝、愛車のベンツを

隅から隅まで磨くのが日課でした。


このベンツ、近くの違う系列店の店長から

格安の値で手に入れました。

 

その系列店の歴代の店長はみんな高級車を乗り

羽振りが良いので地元業界では有名でした。


本社が京都にありオーナーが半年に1回、

売上金の回収に来る位で放任していました。


組合会議の例会でO氏はその店長から 

その手口を根掘り葉掘り聞きます。

当然、私も横から聞き耳を立てます。

 

現金商売では扱う金額が大きい程 

内部不正の危険性は高まります。


そのことを教えてくれ、業界の一からを

私に指導してくれたのも 氏でした。


悪事はいずれ発覚します。

 

逃走準備のため 不正で得た物件の処理に

困り近隣の店長連中にダンピングしたようです。


かくして氏は高級車を格安で

手に入れたのですが、後で後悔していました。


同額で一戸建ての住宅もあったらしく 

「家にしとったらよかった!」


しかし あの店長、なんぼ抜いとったんやろ。






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