火曜日

応援

 

今日は違う県の系列店へ新台調整の応援に行った。

まだ、この地区は店休が月4回あり、

前夜に入れ替え作業を終わらせ、

今日は朝から新台調整と、

明日からの全台時間打ち営業のための全台調整もあった。

 

応援は新台の調整だけで、10台ほど。

丁寧にやっても、2時間もあれば余裕だ。

ここの店長は55才で、系列店のなかでは、

ベテランだった。

 

しかし、以前から噂は聞いていたが・・・

 

いざ、調整となると、なかなか始まらない。

様子を伺っていると、手が震えている。

やはり、飲まないとダメなようだ。

 

「店長、飲みたいんやったら、構わんで」

「部長には黙っとくし」

 

当然のように内ポケットからウイスキーの小瓶を取り出し

ちびちび飲みながら、作業開始となった。

 

私のほうは、いつものように集中し、

1時間半ほどで、新台の調整は終了し、

肝心のヘソ釘の大きさを相談しようと、横のシマで

調整中のはずの店長を見ると、椅子の上で寝ている。

ゆすって起こすが起きない。

まあ、来た時から様子がおかしかったが、

昨夜からかなり飲んでいたのだろう。

 

仕方ない。

新台の命釘を板ゲージで、12.5の幅で決め、

他のコースも自分の担当店舗同様、いつものように

開店用のゲージにそろえ直し、上から他の役職者を呼んで、

店長を2階に担ぎ上げさせ、施錠させた。

 

後日、店長からの連絡もなく、彼は、

誰が応援に来たのかも、いつ、開店準備が終わった

のかも、記憶になかったようだ。

ひょうひょうとその後、数年間勤め、

ある日、2階の寮の自室で病死していたらしい。

自分の担当部下ではなかったので、

彼の普段の評価はわからないが、まあ、

そういう店長がいてもケンチャンナヨ(かまわない)か。





写真素材 food.foto

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