火曜日

墓誌


K市の霊園墓地にある大叔父が建てた

祖父の墓の横に石板に刻まれた墓誌がある。

 

「本籍地 慶尚南道〇〇市〇〇洞○○番地

父 在敦 母 和順とも韓国の農村に生まれ

幼少の頃 住み慣れた故国 韓国を離れ

玄界灘を越え ここ日本に移住する事に

なり あらゆる仕事をして 私ども七人の

子供を大学迄 出してもらった

全くの無学の父ではあったが 法律の

いらない人で 皆から尊敬され

一生涯 働き通した

母は父を支え私達子供を守ってくれた

終生父母の恩を忘れず ここに感謝を

こめて 墓誌に刻む」

 

刻まれている通り、人が嫌がる仕事でも何でも

厭わずにやったらしい。

そのため、周りからも信頼され、何度も人に騙された

事もあったらしいが、日本人(社会)からも信用されて

文字も書けないのに会社を発展させた。

5人の息子は全員、大学まで進学した。

 

今は私の世代から上の男性親族は全員亡くなった。

 

私は学歴もなく、特別のスキルもない凡庸な男だが

人と人との緩衝役になって、嫌がる仕事でもなんでも

やって来た自負はある。祖父の血統だろう。

 

祖父のように自然と周りに集落ができるような

人望は、今のところ親族にはいない。

 

後々の子孫に期待しよう。




写真素材 pro.foto

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