木曜日

持ち出し


処女開店。予定の割数を大きく上回り、大赤字になった。

まだ、パチンコが40玉交換で損益分岐が160%の時代。

おそらく今の辛い現行の機種では、出そうと思っても出ない、

逆立ちしても出ない、500%を超える割数があった。

 

これは私が担当している店舗だったが、処女開店初日に出た

割数だ。当然、私はまだ入社もしておらず、当時の様子を

オーナーから聞いた。

 

最終のパチンコ割数は54割(540%)。

 

昭和後期より業界にいる私も、見たことも、聞いたこともない

吹き出すような、仰天割数だ。笑ってしまった。

 

当時の甘い機種とはいえ、通常の釘の調整では、どんなに

スタート釘を開けても、そんな数字は出ようもない。

ぶんぶん回しでもスタート数は物理的に決まっているし、

確率も収束することもない。

 

おそらく、スタート釘以外の天や両サイドのフロック釘も

ダダ洩れで、当時あった一発機なども、笑っちゃうくらい、

入賞口へ飛び込んでいたのだろう。

 

フィーバー機などは、昭和の後期は下部アタッカー周辺の釘を

異様に曲げて、大当たり時に出玉がサイドの入賞口にこぼれて

入るような調整をしていたが、おそらく、アタッカーが開かない

状態でも、入賞口にこぼれて、当たりにもならないのに、玉が

増えていくような状態だろう。

 

釘の経験者なら、清水の舞台から飛び降りる覚悟でも、そんな

釘調整はできない。

 

オーナーによると機械メーカーから紹介された店長で、パチンコ

初出店の素人オーナーは、「パチンコはこんなに儲からない」商売

だと、開店週間で後悔したそうだ。

 

それでもか月間、その店長に任せていたが、堪えきれずに交代

となった。通常なら初日で馘だ。社長も辛抱強いね。

 

ちなみに初日の営業時間は2時間で、売り上げは200万円。

まだ1回交換の時代だから、甘くても売上はあったのだろう。

赤字は450万円。サンタクロースがお札をバラまいたようだ。

 

大赤字で以降、客が溢れかえっていたかはなく、在籍中の1か月、

初日の大赤字を回収すべく、いきなり釘を締めこんで、せっかくの

客を飛ばしたようだ。

 

こんな釘師に託した経営者も自爆だが、時にはこんな事があるので

パチンコは面白いね。まあ、ここまでの自爆はめったにないけどね。




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