月曜日

グレイゾーン


30代の10年間は本当に釘を多くたたいたと思う。

平成の初期にはパチンコ機は行政の指導もあり、新しいCR機が

毎月のように発売され、店舗も入れ替えれば入れ替えるほど、客数

は増え、売り上げが上昇するので、地区によっては、毎週のように

新台入替を行っていた。

 

所轄(生活安全課)の検査日は週二回。

入替手順は、事前に変更承認申請書を1週間前に生活安全課へ

提出し、検査日の予約をする。検査時間はわからない。

担当官次第なので、朝から夕方まで、ずっと待機だ。

 

検査が終了すると、担当官が帰るのを確認次第、そこから新台

開店に向けて、すべての釘を整えていく。

 

私は遊技盤(セル板)に対して、上から真っすぐ、横から2度の

高さになるよう手抜きせず、全ての釘を揃えていた。

20台なら初期スタートは20台、すべて同じゲージで構成する。

 

最盛期は担当店舗が8店舗あったので、毎週、かなりの新台調整を

行い、かなりの手練れになっていたと思う。

ハンマーの柄を長めの白木に皮を巻き付け、頭の角度を柄と直角に

して、効率よく叩けるよう、いろいろと工夫したものだ。

 

風俗営業法が昭和の61,2年ごろに風俗適正化法に改変された

ころより、釘の調整は構造変更になるので、「釘調整」は原則、

禁止というのが徹底されるようになった。

 

生活安全課の担当官に調整しているのを見られた時点で、即、

行政処分だ。

 

とはいえ、パチンコ屋は、いわゆる出玉の調整がなければ商売に

ならない。なので、夜な夜な(早朝に)担当者は、新台時に納品

され以降も自社に都合の良いように釘調整を行っていた。

 

行政も、ホールも、遊技客も、暗黙の了解だ。

 

閉店後や開店前、昔は清掃係や一般社員が作業をしている

合間で釘調整をしていたが、近年、SNSの普及などで、

投稿される危険や、また店内の監視カメラに調整の様子が残る

ため、録画を停止させるなどの注意も必要となってきた。

 

暗黙の了解。ダブルスタンダード。グレイゾーン。不文律。

パチンコ業界に限らず、日本社会全体に表と裏、本音と建前、

嘘が多いね。ジャニーズも、安倍晋三も、日大も。

元統一教会や日本会議の関係者ばかりは自明のカルト集団だし、

テレビも新聞も、為政者の都合の悪いことは載せない、見せない。

 

戦犯が総理大臣になるのも、福島原発事故も、いろいろな不正は、

遡れば先の戦争の責任を問わなかったことが始まりか。

 

それとも、「なあなあ」で自戒もなく、権力者たちに媚びるのが

この国の習わしなのか。

 

話がパチンコから大きくずれてしまったが、グレイな業界で、

自身は負い目、引け目を感じていたが、何のことはなく、この

日本社会で成長してきた業種(業界)でまっとうに生きてきた

だけだね。特殊で、グレイでもなく、普通に、平凡に、純白の

道を歩いてきただけだ・・・でもないか・・・かしこ。




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