木曜日

調整


パチンコ業界をやめてから3年。この間、パチンコ店を

覗いたのは2回だけ。1度は本当に覗いただけで、打たずに

帰った。もう1度はジャグラーを少し打って、すぐビッグが

かかったので、即止めで2千円ほど勝たせてもらった。

 

業界にいたときは、ほぼ毎日のように近隣のホールを回り、

偵察を兼ねて、サンド(玉貸機)にお金を投じてきた。

 

25歳から業界に入って35年。お遊びとしてのパチンコは

面白かった。検定基準がお上の都合で変わる中でも、業界は

常に抜け道を探し、遊技機の性能(射幸性)も高まり続け、

単純な役物の時代から、デジタルになり、液晶が出て、派手な

バカでかいギミック(演出)の付いた必要以上の性能に変化し

ていく時々の遊技機にそれなりのお金を投入していた。

 

拘束時間も長く、時間潰しの面もあったが、自分は管理職だ、

競合店や遊技機のリサーチだと、格好をつけては1日の大半を

ホールで無為に過ごしていた。

 

当時は自身でも依存症ではないか、と思っていたが、しかし

業界を辞めたとたん、まったく興味がなくなった。

業界とのつながりもピタッと切れて、すべてが泡沫のように

消えてなくなったようだ。

 

パチンコ店で釘調整をしていた。機械の選定をしていた。

なんて、他の業種では何のつぶしが効くわけでもなく、

そもそも釘を調整する行為は、以前にも書いたが、法律

(風適法)違反で、表には出せない。

 

YouTubeでも営業しているホールの調整するさまを見せれば

「バン」どころか、警察の目に留まれば、行政処分だ。

 

あー、俺は裏稼業のような世界で、35年間も働いてきたのか。

なんて自虐的に嘆いても、続けてこられたのは、毎週のように

新しい遊技機の「釘をたたく」行為があったからで、一心に

何時間も集中して、きれいに、正確に、仕上がったときは自己

満足に浸っていたのだから、小さなモノをコツコツ作っていく

のが、好きな性分だったのだろうと思う。

 

どこぞで、昔のパチンコ機を仕入れてきて、ハンマーで釘調整

でもしてみるか。単純に釘をたたく行為だけでも、楽しい

からね。道具は一式、まだ残っている。

 

でも、カンカンカンとうるさくて、まわりのひんしゅくを

かうだけだね。



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