月曜日

くち


「今日も暑いねー」が、最近の挨拶。

 

水商売の時は、いつでも、「おはようございま~す」

 

今のパートは11時半出勤なので、「こんにちは」

 

管理職が長かったので、「ご苦労様です」が、すぐに口に

ついていたが、最近やっと、「お疲れ様です」

「お世話になっています」が云い慣れてきたかな。

 

職場でのメールのやりとりは回りくどい。

 

同僚なのに冒頭は、「いつもお世話になっております」

 

他人行儀だ。

 

「引き続き何卒よろしくお願いいたします」

「どうぞよろしくお願いいたします」

 

最初はなかなか慣れなかった。

同じ組織の同僚に、お世話も何もないだろう。仰々しい。

 

まあ、2年で部署替え、配置換えがあるのだから、慣れ

親しくすることもないのだろう。

常套句として、文字入力では勝手に提示してくれる。

 

朝のパートは運転手なので会話がない。利用者の多くが、会話が

出来ない重度の知的障害者も多く、なおさらだ。

 

昼からのパートは、所属する組織では、私一人だ。

施設の管理だが、ほぼ留守番のような環境なので、出勤後、

PCの立ち上げ、メールチェック、予約確認。

30分くらいでほぼ終了し、電話の受付は勤務時間内で1件

あるかどうか。

 

同じスペースだが、共有している他法人の2名の方とは、

ほとんど会話がない。

 

家庭では妻と二人きりだが、彼女は統合失調症もどきで、一人で

ひたすら独白劇を繰り返しているので、私はそれらしい相づちを

打つが、打てば響くような会話は、ここ何年もない。

 

元々口下手だったが、上記の様に、話す場が少ないので、

ますます滑舌悪く、退化しているようだ。

この2~3年のマスクの影響もあるかな。

自身でも「もっとハッキリ喋れよ」と反省ばかりだ。

 

たまに来る孫たちにも言い負かされる日が近いだろう。

 

歩かなくなったら足の筋肉が落ちるように、

会話しなくなったら、口周りの筋肉がそがれていくのなら

それも仕方ない。

 

映画の中の高倉健のように寡黙な男として、

朴訥として生きて行こう。

 

むっつりスケベとは思わないでね。




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8月


今夏の暑さは異常だ。と、毎年のように言っているね。

1970年代に子供の皮膚で感じた暑さと、現代の暑さの

違いは、地面からの照り返しだろう。

日差しの強さは昔も今も同様だが、足元からも熱が反射して、

裸足ならフライパンの中へ放り込まれたようだ。

砂浜に素足も熱かったけど、コンクリートの比ではないね。

 

8月。夕立が一気に暑気を吹き飛ばすも、すぐに蒸し返す

ような暑さで、べとつく汗をうちわで扇ぎながら縁側での

夕涼み。

涼しげに鳴る風鈴。蚊取り線香の横で、スイカをほおばる。

蚊帳の中で、コロコロリリリーとエンマコオロギの声を聴き

ながら眠りにつく。

涼しげな風情だが、風のない日は暑くて寝苦しい。

 

昭和40年代までは「サザエさん」の世界がまだ残っていた。

当時は台風の季節になると頻繁に停電があり、ロウソクは

常備品だった。子ども心に台風が好きだった。ワクワクした。

 

クーラーはなく、ガタガタと首が回る、うるさい扇風機。

ステテコ、シュミーズ姿で、老人たちは近所を徘徊していた。

 

腐りかけの貧弱な木製の電柱や路地裏の板壁には、立ち

しょんべん禁止の鳥居の絵が書かれ、近くの荒物屋には

生活用品が何でも置いてあった。

 

同じ軒に並ぶ店々で、魚、果物、野菜、総菜、肉などを毎日

必要量だけ買っていた。コメ、酒、瓶ビアは配達があった。

銭湯、理髪店、喫茶店、更科うどんに本屋さん、熱帯魚販売。

おしゃれなテーラー屋。信用金庫に幼小中学校。

すべてが徒歩圏内にあった。

 

井戸ポンプは町のあちらこちらに結構な数が引かれていて、

井戸水はひんやりとして、スイカや野菜、瓶飲料を冷やすのに

重宝だった。

 

住居周辺だけで、生活に不便なく物事は足りていたのに、

外圧に負けて大店立地法に変わってからは郊外に大型の

ショッピングモールが出来、町の商店街はシャッター通りと

なり、寂れてしまった。

 

資本家の思い描いた金儲けの手段にされて、幸せに暮らす

ベクトルが、間違った方向へ向かったようだ。

 

これからの日本は、人口減少は全都道府県に及び、少子化は

必然だ。100年後には、どうなっているのだろう。

 

あと20年もすれば私も寿命を迎えるだろうし、見ることの

ない未来を悲観してもしようがない。

 

冥土へのカウントダウンが始まってはいるが、子供のころの

夏休みの宿題同様、言い訳ばかりで一向に進まない事ばかり。

如何ともし難く、さて、さて。


明日も暑そうだ。





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火曜日

脱出

 

今後30年間で東南海地震の発生率は80%以上らしい。

太平洋海側(東海地方)は津波の被害も含めて、高速道路、鉄道

などのインフラが壊滅的だろうといわれている。

 

「日本沈没」は地殻変動で国土が消滅する小松左京のSF小説だが、

文化、経済、政治といろいろな分野でこの国が沈没していく過程を

今、目の当たりにしているのかもしれない。

 

80%なら、近い将来、必ず来るのだろう。

 

1400兆円ちかい経済損失が出るという。

被害の規模や死者数まで試算されているのに、さあ、どうする。

 

防衛費は今後5年間で大幅増の43兆円、実際は60兆円近くに

膨張していくという。

 

防災費に使え、だ、だろう。

 

危機感なしの現実逃避政治。

いくら楽観論者でも、いまの日本の状況はヤバいんじゃない?

 

昭和の時代では、韓国のソウル一極集中はマズい。東京の未来像を

描くのに教訓にすべきと語っていたのに、今は首都圏の総人口は、

2020年、4434万人。

東京都は1400万人で、首都圏の32%を占めている。

 

  


原発はさすがに東南海には立地させずか。

 

日本海側にも要所要所に原子力発電所が配置され、日本全国、

こりゃあ逃げ場がないねえ。

 

地震・津波・原発で日本は沈没してしまうのか。

 

子ども、孫たちの時代は、「日本脱出」を迫られるかもしれない。

さあ、いずこへ。




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