金曜日

何かおもろい話はないか?


年を経るごとに大笑いすることがなくなっている。

よく箸が転んでもおかしいと、年ごろの思春期の女性に使うが

自身を振り返ってみると、その時どきの友人たちの馬鹿らしい

行動や、ちょっとした出来事に20代前半頃までは腹を抱えて

大笑いをした記憶はある。

 

「霊幻道士」という香港映画を観た時、登場してくる道士

たちとキョンシーとのやり取りに映画館で腹がよじれるほど

笑い、おなかが痛くなるほど面白かった記憶がある。

昭和60年か61年頃だ。

 

当時の出来事を、ネットで振り返ると

(なんでも検索すればすぐ出てくるね)

豊田商事会長刺殺・日航ジャンボ123便墜落・チェルノブイリ

原子力発電所事故など今にもつながる象徴的な事件も多く、

テレビで何度も見せつけられ、特に豊田商事の案件くらいから

高齢者や社会的な弱者を対象にした詐欺の面とテレビ画面での

公開処刑(マスコミ環視の中、不法に侵入するのを誰も止める

こともなく殺害されたのを実況中継していた)を見せつけられ

ショックだったのは記憶している。

 

これくらいからだろうか、高齢者に向けた詐欺事案が多くなって

今の特殊詐欺(オレオレ)につながるのは。

 

旧ソ連の原子力事故は2011年の福島原発事故にも重なる。

 

ダイアナ妃の初来日フィーバーもあったがその後の不運もあり、

あまり明るい記事が出てこない。

 

聖子ちゃんと神田正輝さんの結婚式もあったが、近年の娘さんの

自死もあり、残念だね。

 

ハレー彗星の大接近も不吉な出来事の前兆だ、などあまり当時

から良いイメージはなかったように思う。

 

だが、世の中はこの時分からバブル景気に浮かれ出し、いやな

出来事も将来の不安も札束で吹き飛ばす、イカレタ状況が平成に

入るまで続くのだが、確かに歴史は繰り返されるね。

 

原発事故も詐欺事件も飛行機事故もまたいつか再発するだろう。

過去の出来事を教訓とし、同じ過ちを犯さない。はずなのだが、

過去をなかったことにしたり、改竄するのが常態化している国

では心配だ。


なんだか面白くて楽しいことは、なかなか訪れてきそうもない。

こんな感想を持つのは自分が年寄りになったせいか。

また、腹を抱えて笑いたい。




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木曜日

こども


3日前に長女からの依頼で1才9か月の孫を預かった。

1週間ほど前から感染性胃腸炎(ノロウィルス)で家族全員が

罹り家事が溜まっている。昨日は旦那のお母さんに見てもらい、

今日はウチで見てほしい。

 

一抹の不安はあったが、了承したのですぐにやって来た。

孫は治ったようで元気だ。甘えん坊なので一度慣れると、どこに

でもついてきて離れない。「くっつき虫」だ。

 

私はパート仕事で夕方までおらず、妻が面倒を見た。

ずっと「くっつき虫」だったようだ。

 

翌々日の朝から妻の体調がおかしい。トイレで吐き、食欲もなく

寝たきりだ。その日は、私は休日だったので、久しぶりに自家製カレー

に挑戦し、ネットでみた人参のナムルを作った。

 

その日の夕刻より、今度は私がヤバくなった。

上からも下からも夕食のカレーライスは全て下水道へと流れ、

動けなくなってしまった。

 

朝まで30分に1度はトイレへ。

眠れない・・・

胃も全身も痛い・・・

悪夢にうなされ朝まで悶々とした。

 

婿のお母さんも同様で、点滴まで打ったようだ。

一家全滅状態だ。怖ろしや、孫のウイルス。

 

保育園は幼児がかかる感染症の巣窟だ。

インフルエンザ・おたふくかぜ・水ぼうそう・手足口病・はしか

風疹・ロタウイルス・・・予防注射は都度接種済みだが、順番に

園から伝播し、かかれば登園禁止となるので、親族に回ってくる。

それに今は新型コロナもある。

感染症も怖く安易に預かれないが、親は頻繁に会社を休めない。

 

子供を育てるのは大変だ。こうやって私の親は私を育て、私は子を

育てた。次は孫の順番がやってきて、輪が回っていく。

 

孫の成長を見られるのは、わずかな期間だ。

 

早く一人前の子供になってくれよ! です。 




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火曜日

時代


「店長、また男子トイレで注射器、落ちてますわ」

 

主任のT君の報告では今月度に入って3本目だ。

K市の郊外にあるこの店舗はグループ内でもトップ3に

はいる超優良店で、毎月の回収金(粗利金)も平均的な

店舗の3倍近くあるドル箱だった。

 

しかし、立地的に客筋が良くなく、いわゆる「ガラの悪い」

場所だった。近隣には有名な在所(部落)もあり、そもそも

新規開店時から地元暴力団からの圧力で、開店が1年間延び、

数年前の処女開店時には、黒塗りのベンツが駐車場の周りを囲い、

無事にオープンするような、いわくつきの店舗だった。

 

だが、想定通りにギャンブル場としては最適な立地だった。

 

夢と希望と住宅ローンに追われるような新興住宅街よりは、

ここのように古い集落があり、雑多な街並みで、これからの

展望よりも、日々の現実に追われる人々が、小銭を得ようと

少なくはない現金を放り投げてくれる。

 

オーナーが目論んだ通りの出店だった。

 

今の店長は185cm、120kgの体躯で、もとキックボウサー。

TVなどで登場してくる有名なK1ファイターのスパーリングパート

ナーの経験もあり、当社でも筆頭の武闘派店長だった。

リングから降りて以降、体重が30kg超過中だ。

 

先日、彼が事務所で仕事中、突然、目が血走った中年男が乱入

して来た。木刀を振上げ、わめいていたようだ。

突然の出来事で店長は動顛してしまい、手加減なく乱入者を殴って

失神させてしまった。まあ、正当防衛なので問題にはならなかったが、

店内外での覚せい剤の使用や売買が以前から散見され、店舗管理が

それ以降も大変だった。

駐車場の巡回中には、不審者に車で追いかけまわされて、危なかった

事案もあり、私は彼に笑いながら、逃げやすいように減量を薦めた。

 

時代は昭和後期からのバブルが弾けてからも、また平成20年の

リーマンショック不況と叫ばれようが、わが業界は不景気こそ、

人心はひと時の娯楽(賭け事)に走るとばかり、業績の乱高下は

あったが、様々な問題を孕みながら順調に営業してきた。

 

多重債務でホールのトイレで自死された方は系列店舗や近隣でも

数人いた。突然行方不明になった常連客や、明らかにギャンブル

依存症で病的な表情のおじさん、おばさんを見ても、ホール側の

業界人は無関心だった。私もそうだった。

 

その世界にいると、その中の出来事は何でも普遍化し、本質の

異常性に気付かない。明日の生活費までフィーバーにつぎ込んで

いても、借りてまでもアレジンに数万円入れても、掛かれば

元が取れる。ギャンブルは勝ったり負けたりするものだ。

自己弁護で胡麻化す。

 

昭和、平成と隆盛を誇った消費者金融。

アコム、プロミス、アイフル、SMBCモビット、レイク等々。

高金利での貸し付けや取り立てが問題となり、総量規制などで

一時撤退し、悪役に転落したはずの消費者金融が、またぞろ

マスコミでタレントを使い、新しいカードローンだと大手を

振って喧伝している。

 

資本家はいつも弱者を食い物にして増殖していく。

60を過ぎ、しがない時給950円のパートタイマーとなった

私は、今は食われる側になった。

年を経て回り道は出来ない。コツコツ余生を過ごそう。

 

反面教師の親父の背中を思い出しながら。




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