金曜日

虎になる


どの世界でもアルコール依存症は

一定数いるのだろうけど、自分の意志で制御できない

状態ではそうなるのだろう。

P店の入寮者は大阪地区で勤務しているときは、

比較的若い社員が多かったが、飲酒のクセが悪い

社員がいた。自身でもある程度自覚していたようだが、

酒量を制限できないようだ。

 

一定量を過ぎると「目が据わる」。

普段のストレスが爆発するようだ。

上司に敵意をむき出し、暴れだす。

「虎になった」らもう駄目で、

尋常でない暴れ方のため、周りはもう

紳士的に制御できず、お互いに傷跡が残ってしまう。

 

翌朝、神妙な面持ちで反省するのも毎回だが、

今回は慰安会のため本社の役員(社長の三男)もいて、

彼にも飛びかかったので、退寮処分となった。

 

田舎の店舗にいた時は、台所の包丁は夜間

必ず鍵付きのケースに入れ、調味料用の

日本酒は置かないようにしていた。

 

虎になって気が大きくなる。飲酒が止まらない。

ほとんどのドランカーは自制できるが、

それでもアルコールは神経を弛緩させ

普段とは違う行動にさせる。

 

酒を飲まない人には全然理解できないことだ。

近くに「虎になる」人が身内に居れば、

煙草の受動喫煙同様、酒の受動迷惑だ。

 

自分が「虎になる」のを自覚していれば、

酒は飲んではダメだ。

酒に飲まれる人は酒を飲んではいけない。

ノンアルコールビールで我慢しよう。




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駆け落ち


パチンコ入寮者でよく聞く話で、

入寮のカップル社員のどちらかと

単身者の恋の逃避行、駆け落ちというやつだ。

 

私の身近では、店長とカップル社員の女性との

駆け落ちがあった。

店舗の責任者が部下の女性と不倫関係となり、

その後ろめたさからか、二人でトンコ(逃げて)しまった。

 

逃げた二人はどこからかの噂では、その後、

北海道のパチンコ店員で働いているようだ、と

真偽はわからない。

店長は当時45才で嫁も中学生の子供もおり、

一緒に逃げた女性は22才だった。

 

二回りも年が離れた女と

「甘い生活」を送れるのはいつまでだろうか。

 

「恋の逃避行」、「禁断の恋」、「許されざる恋」

 

胸がざわつき締め付けられるが、

踏み切れないだろうね。この一線は。

 

人生は1度きりなら、狂ってみるのも如何なものか。

後悔するなら越さないほうがいいだろう。

 

残された夫(男性)のほうは案外、さばさばしていて、

その後も単身社員として数年間勤務していた。

 

「恋」は勘違い。ともいえるからね。




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木曜日

スナック


「主任、終わったら皆で行くでぇ」

閉店後、近所の飲み屋に遊びに行くクセが

ついてしまった。

閉店作業を慌ただしく片付ける。

釘の調整は差し替えで4~5台だ。

市内の繁華街まで車で10分程度だ。

表通りの商店街の一筋裏の通りが、

この町の飲み屋街だ。

ここは小さな町だが、国の大きな産業施設が

あるので、定期的に全国から労働者が集まってくる。

飲み屋の軒数もけっこうあり、平日の夜でも

賑わっている。

副主任の「せいさん」は焼肉屋のママに入れ込んでいるので

毎回、そこでホルモンを食べてから合流する。

深夜に食べる焼き肉やラーメンの美味いこと。たまらない。

 

私と主任はボトルをいれているスナックへ直行だ。

ショットグラスでウイスキーを一気に飲み、煙草をふかす。

2,3杯飲むと、もういい気分だ。ここのママはまだ

学生のアルバイトのような幼い感じで、先日映画に一緒に

行って同伴したが、観た映画が今も記憶に残らないほど

面白くない映画だった。

 

主任は40才で、背は小さいが、がっしりしている

気のいい東北出身のオジサンだ。

公私ともに彼には助けてもらっている。(朝、起してくれる)

 

ほかに班長、最近入社したKさん。

みなで「わいわい」騒ぎながら、カラオケを歌い、飲んで、

眠たくなったら来た車で帰る。

 

この町であまり腰が長くなると、どこでパチンコの店の客と

鉢合わせするか、わからない。

客の負けた愚痴も聞きたくないし、良からぬ誘いも受けたくない。

あっという間に夜は更けていく。早く帰ろう。

簡単で、短時間で、消費して、いい客だ。




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